連載|自分の手で綿花を育てる② 綿の歴史を辿る

2018年5月11日撮影 (2階ベランダにて)

5月のゴールデンウィークに種まきをした綿はその日のうちに自宅へ持ち帰り、森田さんから譲り受けた種は次の日に全て蒔き終わってから観察日記がスタート。当初は全て1階の一番日当たりの良い場所に配置しようと思っていたのですが、園芸に詳しいスタッフの助言のもと 1階と2階に分け、敢えて環境を変えて観察することにしました。

2018年5月11日撮影 (左:2階ベランダ、右:1階玄関前)

新芽が出てきたのは種まきをしてから丁度1週間ほど。まずは1階の新芽が先に出て、2階の方はまだ何も変化を見せることなく数日そのまま経過しました。日の当たる方向は同じ(南向き)、水をあげるタイミングも同じく土が乾いた頃を見計らい2.3日に1回です。

2018年5月11日撮影 (1階玄関前にて)

さてこの辺りまでは順調な日々を送っているので、少し綿花の歴史の話を。

実は木綿が反物として流通したのは長い歴史から見ると意外と新しく、木綿布が中国や朝鮮半島から入ってくる室町時代まではまだ日本では綿の栽培は広まっていなかったそうです。
まだ流通していなかった時代の衣類の着物は、高温多湿の日本の気候でもよく育つ麻、蚕が育ちやすい日本の環境から絹、このふたつが手に入りやすい素材だったとのこと。
やどり木の教室でも着付けの会で浴衣の歴史に触れていますが、元々庶民の衣類は江戸時代までは麻の浴衣だったという点と合致してとても面白いです。元々は蒸し風呂という入浴方法で火傷をしないため、素肌を隠すために着用していたというのも初めて知りました。

そして木綿が麻をおしのけて急速に発展したのは江戸時代。
この背景には綿は麻に比べ保温性に優れていること、麻よりも栽培しやすいという点、また戦国時代に入ってからの軍需品の分野への用途拡大の影響があるようです。
確かに比較的育てやすいと感じる植物なので、大量生産に向いているというのも納得。
(今のところ)

今月末に開催する織りの会は素材をコットンリネンやジュートヘンプなどの素材に絞っています。
まず第1回目は麻や絹の時代の織りの世界に触れてみる。
素材に触れて感じて、なかなか良い時間になりそうです。

森田さんのレポート
http://sonotsumori.shopinfo.jp

6月30日(土)   13:00-15:00
織りの会|”ちいさな織り機で、ちいさな手仕事”
http://yadorigi.info/織りの会|ちいさな織り機で/

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